イクラとサリーは野良猫でした。
前回、お知らせしたとおり、イクラは雨の日にグッタリしているところを保護してうちの子になりました。サリーは、生まれてたった4ヶ月(見た目はまだまだ仔猫です。)で出産を経験しましたが、車のボンネットの中で子育てしていたため、その車の持ち主が車を整備工場に持ち込んでから仔猫たちは消息不明となりました。
それからというもの、仔猫たちを探して辺りを鳴きながら(迷惑がる人たちが追い払っていた。)うろつくサリーのことがいたたまれず、無理やり保護してうちの子になりました。
その後も仔猫たちを心配するサリーは鳴き続け、何度も家から出ようと試みていましたが、1年を過ぎた頃、やっと落ち着きを取り戻してくれてイクラと遊ぶようになりました。
ですが、私にはまだ慣れてはくれません。( トホホ (/ω\) )
耳をよーく見てください。
どちらも左耳の先端がさくらの花びらのようにカットされていることが確認できるでしょうか。
この2匹は「さくらねこ」なんです。「さくらねこ」とは、不妊手術済みのしるしに、耳先をさくらの花びらの形にカットしたねこの事を言います。そして、この耳のことをさくら耳といいます。
「なんて可哀想なこと・・・。」と思った人がいるかもしれません。
ほとんどの野良猫は、毎日、ちゃんとしたエサにありつけず、夏は暑く、冬も雨風にさらされて寿命は5年ほどと言われています。交通事故や病気になって死んでいく仔猫の方が多いんです。
ねこはねずみのように仔猫を沢山生みます。多いねこで1年に4回出産するため平均4匹生むとして1年間の合計は16匹になります。その後も毎年、生み続けます。その生まれた仔猫たちも4ヶ月で出産できるように成長します。あっと言う間に増えてしまうんです。
飼い主のいないねこの問題を殺処分ではなく不妊手術によって解決しようとする行政やボランティアさんを支援する事業を「TNR」といいます。
TNR(ティーエヌアール)とは、
- Trap(つかまえて)
- Neuter(不妊手術をして)
- Return(元の場所に戻す)これらの頭文字を言います。
このときに、手術済みの目印としてオスは右耳先を、メスは左耳先をさくらの花びらのようにカットします。
一度手術をしたことが見た目でわかるため、何度も手術されることを避けられる上、手術の際の全身麻酔時に耳カットするので、猫にとって痛みの少ない方法です。麻酔がかかるまでに15分程度、平均手術時間はオスが1~2分ほど、メスは5~10分程度です。
1匹でも多くの猫に不妊手術を施すことが殺処分ゼロを実現するもっとも有効な手段だと考えられており、不妊のねこは、一代限りの命となってしまいますが、その命をその地域で生涯お世話をしようという飼い主のいない野良猫のための保護活動なのです。 ねこブロガーはその活動を応援しています。