- Home
- ☐家畜の種類
☐家畜の種類
項目:◇「和牛」について ◇「乳牛(乳用種)」について ◇「交雑種」について
◇「外国種」について ◇「豚」(国内飼養豚)について
ここでは、国内で飼養生産されている牛と豚の品種等について紹介します。牛については、和牛、乳牛、主に和牛と乳牛を交配して作られた交雑種、外国種に分けられます。以下では、各々の品種について簡単な説明をします。
◇「和牛」について
日本古来の在来種に外国種を交配し、品種改良して作りだされた日本の独自種。国内で飼養されている牛のうち、「和牛」と称してよい品種は次の4品種になります。
「褐毛和種」
毛色は明るい赤褐色で、「あか牛」、「褐毛牛」とも称されています。熊本県と高知県に多く、次いで北海道と 長崎県が続きます。熊本系は大型で雌の体高 133 ㎝、体重 577 kg位に対し、高知系はこれよりやや小型です。
「日本短角種」
毛色は、赤褐色ですが濃淡があり、粕毛や白斑の牛もあります。雌の体高 132 cm、体重 590 kg 位です。岩手、 青森、秋田の北東北三県と北海道で飼われています。
「無角和種」
毛色は黒毛和種より濃い黒色の無角種。山口県で作られた角のない品種です。 体格は黒毛和種とほぼ同じですが、体重はやや重くなっています。
◇「乳牛(乳用種)」について
乳牛(乳用種)とは、もともと牛乳の生産を目的として飼養されている牛のことです。 牛乳を生産(搾乳)するためには、子牛を産ませる必要がありますが、生まれてくる子牛は、牛乳の生産を期待できる雌子牛だけでなく、その半分は雄子牛です。ここでは、この雄子牛や搾乳を終えた乳牛などを肉資源として肥育したものを総称して「乳牛」と呼んでいます。現在、日本における乳用種のほとんどが「ホルスタイン種」です。他にごく少数ですが「ジャージー種」等、他の品種も肥育されていますが、ここでは、乳牛の代表格「ホルスタイン種」について紹介します。
「ホルスタイン種」
乳用種ですが、大型で発育が良く、赤肉を効率よく生産する優れた能力があります。本種の雄子牛の大半は肉用になります。毛色はほとんどが黒白の斑です。
☐「交雑種」について
交雑種とは、「黒毛和種」等に代表される一つの品種をいうのではなく、肉質向上やコスト削減等の目的で、雄雌について別々の品種を交配した結果、生産された牛のことで、「F1」と呼ぶこともあります。代表的な交配には、乳牛(ホルスタイン種)の肉質を改善するために、この雌に黒毛和種の種をかけあせたものがあり、現在、日本で飼養されている交雑種のほとんどが、この交配の牛です。(以降、交配を「×」で示します。)ただし、交雑種とは、先に述べた「ホルスタイン種(雌)×黒毛和種(雄)」が全てではなく、同じ和牛同士の交配でも、雄と雌とが別々の品種であれば、「交雑種」に判別されます。例えば、「黒毛和種×褐毛和種」や「黒毛和種×無角和種」等も「 交雑種 」として扱われます。
「黒毛和種(雄)×ホルスタイン種(雌)」
◇「外国種」について
日本に輸入されている牛肉の大半は、「アバディーン・アンガス種」と「ヘレフォード種」が占めています。この他には、フランス原産の「シャロレー種」、オーストラリア原産の「マリーグレー種」等、多くの肉専用種がありますが、ここでは、代表的な「アバディーン・アンガス種」と「ヘレフォード種」の二品種について紹介します。
「アバディーン・アンガス種」
英国スコットランドで作られた品種です。毛色は黒で無角です。ごく少数が北海道で飼養されています。
「ヘレフォード種」
アバディーン・アンガス種と並んで世界で最も飼養頭数の多い肉専用種です。原産地は英国イングランド地方です。毛色は赤褐色ですが、顔面から胸、腹にかけては白色という特徴のある外貌をしています。
◇「豚(国内飼養豚)」について
わが国における養豚は、明治以降に導入された欧米品種を国の機関において増殖・配布したことを基礎としています。現在、国内で飼養されている純粋種は、「ランドレース種」、「大ヨークシャー種」、「デュロック種」、「バークシャー種」の四品種がほとんどを占めています。なお、国内で肥育され販売されている豚の75%は、「ランドレース種」、「大ヨークシャー種」、「デュロック種」をかけ合わせた「三元交配種」です。
「ランドレース種」
デンマーク原産の白色種です。耳が大きく前方に垂れて顔を覆っています。胴伸びがきわめて良く、全体として流線型を呈する豚です。 体重は、雄が約330kg、雌が約270kgと大型で発育も早いが、繁殖能力が高く、産子数も10~12頭と多く生産します。
「大ヨークシャー種」
英国北部ヨークシャー地方原産の白色種です。耳は薄く大きく、やや前方に向かって立ち、胴伸びが良い豚です。 体重は、雄が約370kg、雌が約340kgと大型で発育が早いが、産子数も11~12頭と多く、繁殖能力が高い特徴を持っています。
「デュロック種」
アメリカのニューヨーク州、ニュージャージー州を中心とした東部地方が原産地です。 赤褐色ですが、その濃淡にはかなりの変異があります。顔はわずかにしゃくれ、耳は小さめで前方に垂れています。 体長は中等で、体上線はアーチ状を呈するミート・タイプの豚です。体重は、雄が約380kg、雌が約300kgと大型です。
「バークシャー種」
英国南部バークシャー州が原産地です。全身が黒色ですが、鼻端、四肢端、尾房が白くなっています。 顔はわずかにしゃくれ、耳は直立し若干前方を向いています。胴はあまり長くありませんが、幅と深みに富み充実しています。 体重は、雄が約250kg、雌が約200kgと中型です。産子数は8.5頭とやや少ない。国内では、「黒豚」と呼ばれ、純粋種として飼養されています。
※和牛、乳牛(乳用種)、外国種、豚(国内飼養豚) 資料・画像提供:社団法人日本食肉協議会
※交雑種 参考資料:社団法人日本食肉協議会 画像提供:社団法人全国肉用牛振興基金協会(NBAFA)