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■センターご挨拶
日本食肉流通センターは、1979年に設立され、その2年後の1981年に東京湾に面する川崎市東扇島に食肉流通施設を開業し、当時、大きな需要の伸びが期待された食肉の首都圏への供給拠点として稼働しはじめました。その後、川崎の施設を充実させるとともに、大阪市南港にも食肉流通施設を整備し、現在の2拠点体制となりました。
当センターの役割には二つの柱がありますが、その一つは、食肉の物流面において部分肉流通を推進することです。部分肉とは、枝肉から骨が除去されてロースやバラなどのパーツ(部位ごと)になったものをいいます。
それまで国産食肉は、都市部の拠点まで生きた家畜が輸送されたり、骨付き状態の枝肉流通が主体でしたが、現在では輸入食肉と同じように国産の食肉についても真空包装された部分肉が段ボールに梱包されて供給されるようになりました。
これにより、食肉をより衛生的、かつ効率的に食肉業者や販売店に配達することが可能になり、さらにコールドチェーンの普及により、高い衛生状態のまま供給できるようになっています。
もう一つの柱は、部分肉の取引価格情報の提供です。物流面で部分肉流通が進展すれば、商流の面で部分肉ごとの価格情報が必要となってきます。現在、センターでは、食肉企業のご協力を得て、実際に食肉販売店等に販売された部分肉の価格等の情報を日々収集し、販売地域、食肉の種類、部分肉の部位ごとに集計した情報としてホームページや新聞で提供しています。食肉価格情報といえば、食肉卸売市場で取引された牛豚枝肉の価格を思い浮かべると思いますが、センターの情報は、パーツごとの需給状況を反映した部分肉単位の価格情報となっています。
この他にも、センターでは食肉の販売、流通、価格関係の情報を分析して、今の動きや課題についてレポートを作成するとともに、部分肉について小分割した規格を普及することにより、食肉流通の健全な発展をサポートしています。
現在、当センター施設においては、食肉の卸・運送・冷蔵事業関係の多数の企業がテナントとして入居して営業活動を行い、1,000名を超える従業員の皆さんが働く場となっています。各社ともセンターの大都市圏への有利な立地条件を活かして食肉供給に尽力されています。しかし、その一方で、今後の食肉流通を考えると、センター入居者を含め業界全体が、食肉の国際情勢の流動化や畜産飼料をはじめとする関連経費の上昇、国内運送事情の変化などの多くの課題を抱えています。
このような中で、センターとしては、保有している施設等の資源を有効活用して品質の高い食肉を大都市圏に供給する役割を一層果たしていくとともに、部分肉価格や食肉流通等の情報を発信して参りたいと考えております。これにより日本の食肉流通のさらなる発展に寄与し、食卓の豊かさと健康のシンボルであるお肉が、これからも安定して消費者の手元に届くよう努めてまいります。
公益財団法人日本食肉流通センター |